妊婦の飲酒に子どもと夜遊び。ところ変われば常識も変わる世界の妊娠・出産・子育て事情。

どうしてこうも、妊娠や出産、子育てにまつわるルールが山ほどあるんだろう。
と、妊娠前から思っていた。
アレをするな。コレを食べるな。
芸能人が妊娠中にローストビーフを食べた写真をSNSにあげたら叩かれ、子育てでは手作り離乳食をブログにあげれば「そんなに種類いらない」と叩かれ。
でも、どんな環境下にあっても世界中で子どもは日々生まれ育っているわけで。(病気や死産率は違うだろうけど)
そんなにガチガチにすべてのルール守る必要ある?むしろそのルールって万国共通のものじゃないよね?
と、モヤモヤしてた心を埋めてくれたのがこの本。
妊娠や出産、子育てにおいて常識だと思っていることも、他の国に行けばその常識がくつがえされるという実例をアメリカ人女性ジャーナリストのメイリン・ホプグッドさんがまとめた本です。
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子どもと夜遊びするアルゼンチン人の子育て事情とは!?
アルゼンチンでは妊婦や子どもに対する周囲の関わり方がアメリカとは違うらしい。
妊婦はどこに行っても席を譲られ、列に並べば優先的に前にいれてもらえる。
子どもが公共の場でいくら駄々をこねても迷惑がられることはなく、高級レストランにだって子連れで行っても平気。どこでも子連れで出かけてしまう。
そして基本的に夕食の時間帯が遅く、11時以降になってようやくレストランが満席になるそうで。
大人は子どもをつれて深夜遅くまでパーティーに参加するのが普通の光景、時には朝まで続く結婚式などのイベントにも参加するらしい。(子どもが夜中まで起きているという部分以外は私が住んでいたインドの環境と同じ。とにかく子どもに寛容だし、基本的に夕食の時間が遅い。午前中から遊びに出かけることがあまりない。)
日本では夜中に子連れで居酒屋やファミレスにいると白い目で見られがちだけど、ところ変われば子育ての常識も変わるというのはこういうこと。
子どもの健康には良くないのかもしれないけれど、そうやってアルゼンチンの子どもはすくすく育っているのだから、ガチガチにルールに縛られなくてもいいのかもしれないですね...。
ちなみに、こんなにちがう! 世界の子育てによるとフランスでは妊婦がワインを飲むのは普通だそうですよ。
ベビーカーが子どもの運動能力を低下させる?
こんなにちがう! 世界の子育ての本に取り上げられている例で、「そりゃそうだよねえ」と納得したのは、「ケニア人はベビーカー使わない件」。
日本ではどこでも見かけるベビーカーだけど、ケニアでは道路状況も悪くベビーカーを使っているのはほとんど外国人なんだそうで。(実はこれもまたインドと同じです。都会ではたまにショッピングモールの中などでベビーカーを押している人を見かけるけど、地方に行くとベビーカーで外出している人なんて皆無。)
どんなに重い買い物をするときでも、ケニアのママは「レソ」と呼ばれる布で赤ちゃんをおんぶして出かける。
そのままの状態で家事もこなすらしい。
研究によると、ベビーカーに長時間寝かされたり座らされたりしているよりも、母親などが抱えて移動したほうが耳の奥にあるバランス感覚などを司る前庭系が刺激され、その後の運動能力に良い影響があらわれるのだとか。
ケニアの人はマラソンが得意なイメージがありますが。こういった赤ちゃんのころからの習慣も少なからず影響しているのかも?
将来の子供の運動能力を引き出すために、抱っこやおんぶでの移動も増やしたほうがいいのかもしれませんね。
こんなにちがう! 世界の子育てには他にも、生後6ヶ月から始まる中国人のトイレトレーニングの方法や、最強のイクメンであり自分の胸で擬似授乳するアカ族(アフリカの民族)のパパの話などもあり。
「日本人はどうして子供のケンカを止めないのか?」という章もありましたが、これは単純にその子の親から文句言われたくないからじゃね?と思っちゃった。
あと、「チベット人は妊婦の心を大事にする」という章もあったので笑ってしまった。(うちの旦那ちゃんはチベット人です)
なんだかすごく素敵で伝統的でスピリチュアルなことが書かれていたのですが、これはきっとチベット本土の伝統的な暮らしをしている人々のお話なのでしょう...。
こんなにちがう! 世界の子育ての本、なかなか興味深い内容ではあるけれども、その国のほんとうに一部の子どもや人々の姿や考えを切り取っただけなので、実情とはちょっとズレてる部分もあるかもしれない。
でも、ガチガチのルールに縛られて疲れ気味の妊婦さんやママは読んでみるとちょっとは気が楽になるかもしれない本です!